たそがれイリーの「なるようになるさ」

なるようになるさ。いいことがなくたっていいじゃない。悪いことがないんだから。日々平凡…なるようになるさとつぶやいて、明日を目指してまた生きる38歳、言葉を紡いで暮らしていきたい男のブログです。



セリーグクライマックスシリーズ・ファーストステージ開幕! 広島が強いのか、阪神が弱いのか?


クライマックス 広島 勝ち越し キラ ホームラン 甲子園 CS - YouTube

 

いよいよ始まったセリーグクライマックスシリーズ

下馬評はいろいろ声があったけど、阪神タイガースの「スパイス」こと和田監督の「秘策あり」と言う事前コメントを聞いて、僕は本当に以下の2つを思い浮かべてしまった。そしてそれは事実になった。

 

先発を藤浪晋太郎にすること。

そして前田健太に相性のいい本業キャッチャーの今成亮太を外野で起用すること。

いずれも、スポーツ新聞に書かれていたことぐらいだから「秘策」でもなんでもない。

実際にクライマックス初戦の先発を最後まで隠し通そうとした阪神タイガースの首脳陣の涙ぐましい努力は、結局実を結ばなかったわけで。

 

そもそも阪神タイガースは、なぜ横綱相撲を取ろうとしなかったのか。

先発が誰かをかく乱しようとも、広島カープの選手層はそれぞれのピッチャーに対応できるだけの厚さを持っていない。結局は左右どのピッチャーが出てこようとも、最終的には調子のいい選手を使うというのが広島カープの基本作戦。

カープの好調さにおびえてエース能見篤史を温存して、万が一第1戦を落とした場合でもエース能見で次戦を取りかえすという安全策なのだろうが、能見の気持ちはどうなのだろう。

 

前田健太と言うエース、能見篤史と言うエース。エース同士がぶつかって勝利できれば、間違いなくクライマックスファーストステージの勝利は勝ったチームに転がってくる。だってエースを勝たせるということは、それだけチームのプライドがかかっていることだから。

短期決戦とはいえ、この大舞台においては1年間頑張ってきたエースのプライドと実力がモノを言う。そういう短期決戦において、阪神タイガースの首脳陣はあえてエースを温存した。相手がエース前田健太の先発だと分かっていても、だ。

1年間エースの座を託してきて、この期に及んで「エースは秘密兵器」とでもいえばいいのだろうが、エース対決を煽られた場所に高卒ルーキーが登場しているのを見て、能見篤史はどう考えているだろうか。そんな心情的なことで動揺しているようなエースではないと思うが。

 

今成亮太を使うというのは、明らかに残念だった。確かに打棒の相性はいいかもしれないが、急造外野手ゆえの守備リスクは高まる。

現に今日の試合でも、落球はあったし、捕球後の返球処理の判断が遅れて、ランナーをみすみす三塁まで送ってしまうことがあった。小フライであっても西岡剛のフォローを受けて処理している危うさがあった。

頑張っているのは分かる。だけど、大事なクライマックスの初戦において、慣れない外野守備を、気まぐれな浜風の中、夕日の差し込む視野不良の中、起用された今成亮太の気持ちはいったいどうだったのだろうか。プロであるがゆえに結果を残すことに全力を注いでいたのは間違いないが、本日の敗北で彼の野球スタイルに何か悪い影響を残さないかどうかが心配だ。

そして、今成にそれを強いたベンチはどのような気持ちで彼の様子を見つめていたのだろうか。

 

広島カープは「全員野球」だった。

阪神タイガースは「全員で野球」だった。

前者は、互いの能力を見極め、チームワークとベンチワークで総力戦を挑み、望外ともいえる圧倒的な勝利を収めた。

後者は、個人の打棒や投手の能力を信じて、全員で野球をした。個々に努力をしたことは十分にわかるが、チームとしてまとまっていたかと言われれば、正直どうだったのだろう。

 

いや、本当は阪神タイガースも「全員野球」だったのだと思う。あくまで、フィールドで汗水流して頑張っているナインに関しては。

そのナインに対して、秘策とかどうとか言って不必要なプレッシャーを与えた阪神タイガースの首脳陣が、チームと野球をしていなかった。勝つことに執着しているつもりが、ただ「負けないように」手を打ち続けていただけのようにしか思えない。

クライマックスシリーズは「勝たない」と先がないというのに。

 


広島東洋カープ CS1stステージ 甲子園を赤く染めるカープファン 甲子園球場20131012 ...

 

阪神ファンも、広島ファンも。

このクライマックスステージが互いの能力とプライドをかけて、プロ野球たる所以のプレイを期待しています。それは間違いないです。

 

私は甲子園に応援に行けないけれど、ビジター球場を埋め尽くすカープファンの姿を見て、とても感動しました。

ああ、まだ日本のプロ野球も捨てたもんじゃない。それぞれのファンに感動と希望、そしてプロフェッショナルな野球を提供できるのだと思いました。

 

明日も好試合が繰り広げられることを期待します!